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福島県双葉町がJR双葉駅東側に新設した商業施設に入るスーパーマーケットの「イオン双葉店」は1日、オープンした。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生後、町内にスーパーが誕生するのは初めて。初日から大勢の住民らが買い物に訪れ、生活の利便性向上を喜んだ。
現地で記念式典が行われ、伊沢史朗町長が「生活環境が大きく向上し、居住人口の増加に寄与すると期待している」とあいさつした。イオン東北(本社・秋田市)の辻雅信社長が「町の発展に向け、一緒に歩みを進めていく」と決意した。内堀雅雄知事、岩本久人町議会議長が祝辞を述べ、関係者がテープカットした。
開店前から約70人が列をつくり、予定より早い午前10時過ぎオープンした。店の近くに住む無職伊藤節夫さん(82)は週に3回程度、車で30分以上かけて南相馬市や楢葉町に買い物に出かけていた。「近くにスーパーができるのを待ちわびていた。毎日買い物ができる」と笑顔を見せた。
同じく町内に居住する団体職員山根光保子さん(42)はまな娘3人とともに訪れた。「子どもの体調が悪くなったときに家庭用医薬品が近くで購入できる店があって安心する」と述べた。
売り場面積は約250平方メートルでイオン店舗の中では小規模となるが、野菜や弁当、総菜、刺身などの食料品や、日用品、医薬品など計約4500品目を扱う。地場産品もそろえる。イートインスペースも設け、住民らの憩いの場とする。
営業時間は午前8時から午後7時まで。年中無休。