福島のニュース
「(福島県)玉川村の四辻地区にエミューがいますよ」。村役場職員からそんな話を聞いて現地に行くと、本当にエミュー十数頭が柵に囲まれた高台の土地で飼育されていた。管理しているのは村内の岩谷建設という建設会社。オーストラリアの国鳥とは無縁そうな会社だが、同社会長で村商工会長も務める岩谷幸雄さん(71)に尋ねると理由を教えてくれた。
―どうしてエミューを?
「2021(令和3)年に近くの旧須釜小四辻分校を改装した森の駅yodge(ヨッジ)という村の観光宿泊施設ができました。そこを訪れる人に楽しんでもらえれば地域おこしになるかな、と思い飼い始めました」
―そもそもエミューって飼えるんですね。
「ある自治体が事業で飼育していたエミューの引き取り手を探していると聞き、5年前に引き取りました。今は14頭いて、うちの従業員が管理してくれています。冬が産卵期で大体3~4日に1個生むので、その卵を加工して販売できないか模索してます」
―卵を加工ですか?
「エミューの卵は深緑色で鶏卵の約10倍大きく殻も厚いです。今は試作でランプを作ったりしています」
これからの展開は。
「人口減少が進む中、エミューの飼育を遊休農地の利活用や新規産業の創出にもつなげたいです。エミューは食肉にでき、脂は化粧品に使えるなど利用価値が高いです。村の活性化に向けて色んな利用法を検討したいです」(県南版)