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日本三大防塁として知られる福島県国見町の国史跡・阿津賀志山防塁の現地調査の説明会は3日、町内の森山字西国見地区などの現地で開かれた。町民や歴史ファンらが未公開の遺構を見学し、歴史のロマンに触れた。
町は2008(平成20)年度から史跡保存のため継続的に調査に取り組んでいる。今年6月から行われた調査によって、堀跡の一部が発見されている。私有地のため、普段は立ち入ることができない。
約30人が参加し、町文化財調査員の佐藤耕三さんらが説明を担った。堀跡の一部の発見の経緯などを解説。外土塁が途切れた不明瞭な箇所で表土を除去した際に確認された外堀について、寸法や配置による防塁の役割などを紹介した。
参加者は遺構を眺めながら、約800年前に繰り広げられた奥州藤原氏と源頼朝の合戦に思いを巡らせていた。
阿津賀志山防塁は、奥州藤原氏が一一八九(文治五)年に源頼朝の奥州遠征に備えて構築した防御施設。(県北版)