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会津藩出身で東京帝国大総長などを務めた山川健次郎の写真3点と書1点が12日、福島県会津若松市河東町の会津藩校日新館に寄贈された。山川健次郎顕彰会が子孫から譲り受けた資料で、館内展示を通じて福島県内外の歴史ファンに広く発信する。このうち、晩年に撮影されたとみられる写真は県内初公開という。
山川のひ孫で、北海道大大学院工学研究院招聘教員の東乙比古さん(75)が自宅で保管していた資料を顕彰会に譲った。東さんは7月17日、日新館で営まれた山川の偉業をたたえる献花祭を訪れた。その際、「山川の生まれた会津から足跡を伝えてほしい」と晩年の写真、妻鉚子との写真2点、山川直筆の書「視民如傷(民を見ること痛むがごとし)」の計4点を贈った。
顕彰会は観光客らが数多く訪れる日新館で資料を公開し、山川の新たな一面に触れてもらおうと寄贈を決めた。顕彰会の森武久会長(81)は「東さんの意を酌んで山川の業績を広めたい」と日新館の石田明夫館長(67)に手渡した。石田館長は「晩年の写真からは山川の研究熱心な姿が垣間見える。大切に保管、展示したい」と語った。
写真と書は月内にも展示を始める。問い合わせは同館へ。