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バレエの名門スコティッシュバレエ団(英国)のパートナー校であるスコットランド王立芸術学院の舞踊科に、福島県会津若松市出身の石田聖陽さん(17)=東京都在住=が合格した。9月からスコットランドに渡り、プロを目指して技術や心構えを磨く。世界に羽ばたくダンサーになりたいと気持ちを高めている。
母のワカコ・イシダ(石田和佳子)さんが東京都でNYDCバレエスクールを主宰していた影響で、3歳からバレエを始めた。幼い頃から人前で踊ることが好きで、物おじしない性格だった。ワカコさんは「手本を見て再現する力に長けていた。柔軟性や瞬発力もあり、才能があると感じていた」と振り返る。
小学生から中学生まで、母の古里である会津若松市で過ごした。ワカコさんが市内で開催しているサテライトクラスでバレエを習った。中学3年で進学先を考えた時、ずっと続けてきたバレエを極めたいとの思いが芽生えた。
より練習に集中できる環境を求め、高校進学を機に指導者でもあるワカコさんが暮らす東京都へ移った。2年前に初出場した日本国際バレエフェスティバルで優勝を果たし、よりプロダンサーになりたい気持ちが強まった。
自分に合ったバレエのスタイルを追い求め、ヨーロッパへの進学を決めた。昨年日本で行われた同学院のオーディションでは基本に忠実な演技が評価され、定員20人の難関を突破した。
同学院は英国五大バレエ団の一つスコティッシュバレエ団のパートナー校。英国の大学評価機関によるQS世界大学ランキングのパフォーミングアーツ部門で2025(令和7)年は6位に入った。3年制で、上級生になるとプロのバレエ団とともに活動しながら学びを深められる。
言葉で表現しなくても思いが伝わるのがバレエの魅力だと感じている。聖陽さんは「多くの指導者からさまざまなことを吸収し、世界で活躍するダンサーになる」と表情を引き締めた。