古里双葉町で飲食店出店 いわきの中野さん、ランチ営業開始 復興貢献へ熱い思い

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古里双葉町で飲食店出店 いわきの中野さん、ランチ営業開始 復興貢献へ熱い思い

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福島県いわき市の焼肉居酒屋「粋家」は20日、双葉町のJR双葉駅東側の地域活動拠点「FUTAHOME(ふたほめ)」にチャレンジショップとして店を構え、ランチの営業を始めた。店主の中野文春さん(58)は同町出身。町内で飲食できる場所が限られる中、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの古里復興に貢献すると誓う。
震災と原発事故後、地元出身者が双葉駅前に飲食店を開くのは初めて。震災発生当時、中野さんは東電に勤務し福島第1原発の事故対応に従事した。マスクや防護服を身に着けて構内に入り、放射線の線量や飛散を予測した。2012(平成24)年に退職し、避難生活を送るいわき市のJRいわき駅前に粋家を開いた。
「いつか古里に店を出したい」。強い思いがあった。双葉町は3年前に中心部の避難指示が解除されたが飲食店は少なく、町民の生活環境向上が課題だ。期間限定のチャレンジショップという位置付けであっても、店を構えれば人々の交流促進につながると考えた。
妻の春子さん(52)とともに毎週水曜日の午前11時から午後2時まで営業する。常陸牛や牛タンのカレー、冷麺などを扱う。2人は「住民が交流できる場になればうれしい。少しでも町の復興の力になりたい」と意気込んでいる。