復興庁双葉町に新拠点 2026年度、幹部職員を常駐 地域の実情一層反映

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復興庁は2026(令和8)年度、福島復興局の新たな拠点を福島県双葉町に設置する方向で調整している。20日、関係者への取材で分かった。復興局内に審議官級の「副局長」ポストを新設し、新拠点に常駐させる方向で検討している。東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域の避難指示の解除や帰還に向けた環境整備など、課題が山積している復興の「最前線」に幹部を配置。第3期復興・創生期間に向けて地域の実情をより政策決定に反映できる体制を目指す。
新たな拠点の職員数、設置時期など詳細は今後詰めるが、双葉町産業交流センターに置く見通し。浜通りに置いている福島復興局の富岡支所と浪江支所の機能を、集約する方向で検討している。新設の「副局長」は局長に次ぐ役職で、既存の次長より格上となる。福島復興局の職員数は7月1日現在で58人。
政府は帰還困難区域を巡り、2020年代に希望する避難者全員を帰還できるようにする―との方針を掲げている。方針の実現に向けて新たに生じる課題などに対応するためには、現場の体制を強化する必要があると判断したとみられる。
富岡、浪江両支所は双葉、大熊両町をはじめ復興途上にある被災市町村と復興庁の調整や、福島市の復興局本局との連絡などの役割を担ってきた。幹部職員が常駐することにより、被災市町村と本庁などとのより緊密な連携が期待される。
政府は6月に閣議決定で改定した復興の基本方針の中で、原発事故の被災地域について「国がそれぞれの地域の実情や特殊性を踏まえながら、現場の最前線で復興の取り組みを強力に推進するために必要な体制を福島復興局内に整備する」と掲げていた。
一方、岩手、宮城の両復興局については復興の進[しん]捗[ちょく]を踏まえ、2026年度に廃止する方針を固めた。地震・津波被災地域の中長期的課題への支援は本庁が直接担う体制に移行し、担当の参事官を本庁に新設する方向で検討している。