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熊本市で20日に行われた第56回全国中学校ソフトテニス大会の女子個人決勝で初優勝を飾った双子ペアの大[おお]武[たけ]姫[ひめ]菜[な]・夢[ゆめ]菜[な]組(福島県須賀川市、西袋中3年)は、息の合った連係プレーで圧倒した。「中学最後の全中で本領発揮できた」。姉妹は声をそろえ、達成感をかみしめた。
決勝は今年3月の都道府県対抗全日本中学生ソフトテニス大会のダブルス決勝で対戦したペアとの再戦となった。リベンジに燃える相手ペアに気後れすることなく、後衛の夢菜が高い打点で打ち返し、前衛の姫菜が浮いた球を強打で得点につなげ、4―0でストレート勝ちを収めた。
昨年の全中は初戦敗退で悔し涙を流した。ミスのいら立ちと焦りからショットの精度を欠いたのが敗因だった。その後は、体の成長に伴いサーブやスマッシュの打点がぶれ、調整が難航した。全国の舞台で活躍する双子ペアへの世間の注目は高く、いつしか重圧となった。思い通りのプレーができずに、もがき苦しんだ時期もあったという。
そんな姉妹を最も近くで支え、励まし続けたのが父の敬さんと母の百合さんだ。大会の送迎、プレーや学業の相談、栄養管理など心身両面でケアし続けた。「勝利で恩返しがしたい」。そう誓い合って臨んだ決勝ではプレッシャーをはねのけ、果敢に攻め続けて初の栄冠を手にした。
大会最終日の21日は女子団体の2回戦から決勝を行う。優勝すれば個人と団体の2冠達成となる。姉妹は「一戦一戦、大切にチームで声をかけ合ってプレーしていきたい」と言葉に力を込めた。