持続可能な観光の在り方学ぶ 福島県郡山市の「ふくしま復興大使」片岡大輝さんと岩下優斗さん 石川、富山県を訪問

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持続可能な観光の在り方学ぶ 福島県郡山市の「ふくしま復興大使」片岡大輝さんと岩下優斗さん 石川、富山県を訪問

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福島県郡山市の日大工学部起業サークルの片岡大輝さん(19)と岩下優斗さん(19)は福島民報社の「ふくしま復興大使」として石川、富山両県を訪れた。伝統工芸などを生かした持続可能な観光の在り方を学んだ。2人は地域資源の活用策などを起業サークルの活動に生かしていく。
金沢市の金箔メーカー箔一の本店では金箔の製造工程を学んだ。職人が1万分の1ミリまで薄くした金箔を皿に貼る体験に取り組んだ。工芸品や建築装飾、化粧品、食用など幅広い分野に金箔を取り入れ、ブランド構築や誘客を促す事業内容に理解を深めた。
市内の金沢21世紀美術館では市街地の空洞化への懸念に対し、文化によるにぎわい創出を目的とした開設経緯に触れた。年間約200万人が訪れる国内有数の人気美術館に成長し、アートと観光の融合により地域に好循環を生み出している成果を実感していた。
石川県羽咋市では国内で唯一、自動車走行可能な砂浜「千里浜なぎさドライブウェイ」を訪れた。地元産米のブランド化や道の駅の整備を通じ、地元経済への波及につなげる取り組みを学習した。
富山県の氷見市観光協会では「氷見の寒ブリ」のブランド化に認識を深めた。認証制度の導入や国内外からの教育旅行の誘致を通じ魅力を発信している現状を知った。
片岡さんと岩下さんは第10回ふくしま経済・産業・ものづくり賞(ふくしま産業賞)学生部門学生奨励賞を受賞した。2人は地域の伝統や資源を生かすため、革新を繰り返す重要性に感銘を受けた。体験を通し、物事を身近に感じる仕組みづくりなどを今後の活動に生かす考えだ。訪問には日大工学部の中野和典教授が同行した。