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福島県白河市は、国史跡・小峰城跡にある最大規模の櫓門で復元工事中の「清水門」を24日、一般公開した。二ノ丸と本丸を結ぶ重要な門で、大勢の市民が訪れるなど高い関心を集めた。
清水門は高さ約11メートル、間口は約14メートル。城内最大規模の威容を誇った。1868(慶応4)年の戊辰戦争「白河口の戦い」で焼け、明治時代の初期までに取り壊された。しかし白河藩主・松平定信が臣下に作らせた絵図に寸法や樹種などが克明に記されていた。また発掘調査で確認された礎石の遺構を保存しながら活用する工法も採用、昨年春から復元工事に当たっている。
6月下旬から柱や梁、棟木などの組み上げ作業を行っており、現在は屋根の骨組みや下地を作っている。一般公開では足場が組まれた内部にヘルメットをかぶった市民が入り、巨大な柱や梁などを興味深げに見上げていた。木材のケヤキは茨城や栃木、宮城などから特注で取り寄せているという。現時点の工事進捗率は47%。
市は5年前から「一石城主プロジェクト」と銘打ち、千円を一石とみなし寄付を幅広く呼びかけている。これまでに市内外の多くの事業所・個人から浄財が寄せられている。
「一石城主」に寄付したという市内郭内の高橋功さん(84)は「散歩コースでよく見ていたが、工事現場の中を実際に見ると柱などの迫力に圧倒された。完成が待ち遠しい」と話していた。(県南版)