福島のニュース
会津農業振興議員連盟の講演会は24日、福島県会津若松市のルネッサンス中の島で開かれた。農林水産省大臣官房生産振興審議官の佐藤紳さん(会津坂下町出身)が「米政策の推進状況」と題して講話した。2025(令和7)年産米の収穫量は増加するとの見方を示し、政府のコメ増産への政策転換について解説した。
佐藤さんは、人口減少などによるマイナス・トレンドの継続を前提に需要量と生産量の見通しを作成していたのが米価高騰の要因とした。高温障害の影響で精米歩留まりが悪く玄米ベースの必要量が増加した点や、インバウンド(訪日客)の需要増加などを反映できていなかったという。「実態を踏まえた直近の消費動向を考慮していなかった」と述べた。
その上で、今後は需要の変動に柔軟に対応するため「官民による備蓄の活用が必要だ」と語った。耕作放棄地も活用し、増産にかじを切る政策に移行する。ふるさと納税などを含めた流通構造を透明化し「消費者と生産者双方の納得感を醸成する」と強調した。
2025年産米の動向は、6月末時点の主食用米の作付け意向が136万ヘクタール(前年比10万ヘクタール増)となっており、生産量が前年から56万トン増加の735万トンになるとの見込みを示した。2030年度までに生産量を818万トンに増やすため「水田政策を根本的に見直していく」と述べた。(会津版)