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福島県田村市常葉町の観光施設「ムシムシランド」にあるカブトムシドームは今夏来場者が前年比810人増の2万490人となり、東日本大震災と東京電力福島第1原発事故発生後の最多を更新した。2万人超となるのは震災・原発事故後初めて。施設を管理・運営する市常葉振興公社は、大阪・関西万博への出展で報道される機会が増えて注目度が高まり、全体の数字を押し上げたと分析している。昆虫を通した地域創生と豊かな生態系維持への挑戦にますます弾みがつくと関係者は歓迎している。
震災と原発事故発生以降の来場者の推移は【グラフ】の通り。カブトムシドームは今夏、7月12日から8月24日までの44日間、営業した。開所日数は前年と同じ。大阪・関西万博の「福島復興展示」の一環として5月に出展し、テレビや新聞などでたびたび取り上げられた効果は大きかったと公社は受け止めている。全般的に天候に恵まれたことや、市営の昆虫採集場「インセクトフィールド」の開設も来場者数に好影響をもたらしたと見ている。
市は「昆虫の聖地」を掲げて地域活性化に取り組んでおり、ムシムシランドは象徴的な施設となっている。この夏も昆虫好きの子どもたちが県内外から訪れ、ドーム内でカブトムシと触れ合った。最終日の24日はノコギリクワガタのプレゼント企画もあり、にぎわった。石井大樹施設長は「来年も楽しい企画を考えるので、ぜひ足を運んでほしい」と話している。■昆虫館は11月30日まで土、日曜と祝日営業
カブトムシドームは営業を終えたが、ムシムシランド内の昆虫館は11月30日までの土、日曜と祝日に営業する。昆虫に関連するイベントも予定している。