全中剣道男子個人 吉川(福島市・清水中2年)2位 多彩な技で粘り強く

  • [エリア] 福島市
全中剣道男子個人 吉川(福島市・清水中2年)2位 多彩な技で粘り強く

福島のニュース


第55回全国中学校剣道大会は25日、宮崎県都城市の早水公園体育文化センターで男女個人戦を行い、男子の吉川鉄平(清水2年)が2位になった。福島県中体連によると、県勢の入賞は2019(令和元)年に留場啓伍(当時清水3年、現国士舘大3年)が8強入りして以来6年ぶりで、2位は記録が残る2002(平成14)年度以降で最高成績。吉川は栄冠にあと一歩届かなかったが多彩な技を武器に粘り強く戦い、全国にその名を知らしめた。「来年の全中では優勝を」と前を見据えている。
24日の団体戦は予選リーグ敗退で、吉川自身も全試合で辛酸をなめた。悔しさのあまり涙を流したが、チームメートらの励ましを受け「県代表として恥ずかしい剣道は見せられない」と気持ちを切り替え、個人戦に臨んだ。決勝までは1本も許さない安定した試合運びを見せた。決勝の相手は熊本県代表の小宮尚通(九州学院)。小手と面を奪われ敗れたが、「ありがとうございました」と相手に礼を尽くし、すがすがしく試合場を後にした。
吉川をそばで見守った田所政孝監督(52)は「団体戦の悔しさから気持ちを切り替えて試合ができていた。全国の強豪を相手に高い集中力で戦えたことは素晴らしい」とたたえた。
家族の支えも吉川を後押しした。小学校卒業を機に、故郷の広島県呉市から福島市の祖母宅に身を寄せていたが、今年4月から母と妹が福島市に移住してきた。周囲に頼れる存在が増え、より落ち着いて剣道に打ち込むことができるようになった。
来年は最終学年となる。「県大会から全て勝ち、団体・個人ともに全国制覇を成し遂げたい」。竹刀に感謝を込める。力強く歩む剣の道はこれからも続く。■県内の関係者も喜びの声
県内剣道界にも喜びの声が広がっている。県剣道連盟の長谷川弘一会長(70)は「とても喜ばしいこと。背中を追う選手も出てくるはず。生涯剣道に向けて稽古に励んでほしい」とコメントした。