和食料理人の育成強化 福島県郡山市の日本調理技術専門学校 新コースを10月開講 留学生ら受講想定

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和食料理人の育成強化 福島県郡山市の日本調理技術専門学校 新コースを10月開講 留学生ら受講想定

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世界的に日本食への関心が高まる中、福島県郡山市の日本調理技術専門学校は国内外で活躍する和食料理人の育成を強化する。日本食文化を外国人をはじめとする学生に教える新コースを10月に開講する他、早ければ来春、飲食店開業に向け実務を中心に学べる施設「ザ・キッチン・プラット・フォーム」の和食版を設ける。海外の日本料理店やインバウンド(訪日客)の増加を踏まえ、和食の伝道師を育てる。
新設するのは「調理師本科日本食文化コース」で、基本的な調理技術に加え、伝統料理の歴史、だしの効果、日本の四季ごとの旬、年間を通して豊富な県産食材などを教える。1年課程で定員は30人。現時点でミャンマーからの留学生や在留外国人らの受講を想定している。
農林水産省の2023(令和5)年度の調査では、海外の日本食レストラン数は2021年度の前回調査から約2割増の約18万7千店。日本食人気や企業のチェーン展開などの影響でアジア、欧州、中南米で増えている。新コースでは料理人の卵が文化や基本を学び、母国や日本の飲食店でおいしく健康的な和食の提供に生かしてもらう。
調理師免許取得を主な目的とする専門学校の大学院と位置づけ、学校敷地内に設けている「ザ・キッチン・プラット・フォーム」は、洋食シェフ養成が目的。今回は和食料理人の需要拡大を受け、和食版として市内に技術を実践する場をつくり、名誉校長の料理人野崎洋光さん(古殿町出身)らが講師を務める。
鹿野正道校長は「食文化の向上は地域活性化にもつながる。日本料理の神髄を継承する料理人を養成したい」としている。