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人気ドラマ「相棒」などで知られる脚本家徳永富彦さんの発案で創設された、第1回ふくしま超短編脚本賞の最優秀賞(徳永富彦賞)に、仙台市の真田鰯さんの「安達太良SA上り」が選ばれた。
実行委員会が「福島」をテーマに200字以内の作品を募った。全国から553点の応募があり、徳永さん、タレントの、なすびさん(福島市出身)、俳優の久留飛雄己さん、詩人・演出家の野宮有姫さんが審査した。
最高賞の安達太良山SA上りは、詩集「智恵子抄」を下敷きに、細かく転調させながら男女の情という普遍的なテーマを描いた。審査委員長の徳永さんは「物語を最後まで読ませるために一言一句の努力があり好感が持てた」とたたえた。真田さんは「いつも通り過ぎてしまうだけのSAの景色が、色鮮やかで愛おしい光景にみえるようにと願いを込めて書いた。震災後、ずっと想いを寄せてきた福島の皆さんからこのような賞をいただけて、とても感激している」とコメントした。
入賞作品と徳永さんの総評などは実行委員会のホームページから閲覧できる。
入賞作はラジオ福島で放送される予定。
最優秀賞以外の各賞は次の通り。
▽なすび賞=瀬戸大希(東京都)▽久留飛雄己賞=大畠久美子(大阪府)▽野宮有姫賞=森本慶一(神奈川県)▽福島信用金庫理事長賞=田代賢太(東京都)▽環境分析研究所賞=きみはらなりすけ(東京都・須賀川市出身)▽第一印刷賞=美野洋平(東京都)▽清泉堂賞=長島伸一郎(埼玉県)■最優秀賞(徳永富彦賞)真田鰯
「安達太良SA上り」女
あれが阿多多羅山、あの光るのがウルトラセブン
シュワッチガコンピピピピプシッ男
明日からまた仕事か女
まあ今は足を伸ばして男
うん。空が高いね女
そこからうちの実家みえるよ、あの白壁が酒蔵男
うん女
奥さんにはなんて言ってきたの?男
墓参り女
墓東京じゃん男
この景色の中でしか、お前を探せないんだよ女
フフ、浮気だ男
バカ女
この人、死んだ奥さんのことまだ愛してますよー男
うるさいよ女
もうこなくてもいいぞよ男
…くるよ、また