郡山市議会中継に手話通訳導入 福島県内初、9月定例会から 佐藤議長が意義を語る

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郡山市議会中継に手話通訳導入 福島県内初、9月定例会から 佐藤議長が意義を語る

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福島県郡山市議会は9月3日開会の9月定例会から、議会中継に手話通訳を県内市町村議会で初めて導入する。佐藤政喜議長は福島民報社の取材に対し、「あらゆる人が議会での議論に関する情報を受け取る一助にしたい」と意義を語った。
―手話通訳の導入を決めた経緯は。
「2015(平成27)年の3月定例会で手話言語条例案を全会一致で可決して10年がたった。昨年の6月定例会から人工知能(AI)を活用し、議会中継に字幕をリアルタイムで表示している。AIが学ぶにつれて字幕の変換ミスなどは減る見通しだが、まだ誤変換も目立つ。関係団体から手話通訳も入れてほしいとの要望もあり、検討してきた」
―導入の意義を改めてうかがう。
「字幕だけで分かる人もいれば、手話でないと分からない人もいる。両方を併用しないと障害者の方が議会の内容を十分理解できない恐れがある。どちらにも対応しなければ議会が責任を果たしたことにはならない。字幕と通訳者が入り、画面が混雑する心配もあるが、できる限り配慮して見やすいよう工夫するつもりだ」
―より開かれた議会に向け、どのような運営が求められるか。
「議会側が受け身でなく、積極的に発信する必要がある。昨年の市議会誕生100周年コンサートで初めて議場に来た市民も多い。手話通訳の導入のように、誰でも分かりやすい発信を続けることが大事だ。一般の人は多様な方法で情報を得られるが、障害を持つ方は手段が限られる。こうした課題の解消も欠かせない」(郡山版)