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少子化などの影響で先祖代々の墓を継承する人がいなくなり、墓じまいが増える中、福島県会津坂下町の光明寺は墓石を再利用して犬や猫などのペットの合同墓を造った。人間の墓からペットの墓への転用は珍しい。斎藤裕慈住職は「動物の命の大切さを改めて感じてほしい」と願いを込める。
「ペットの遺骨を納められませんか」。地域住民らの要望が墓石の再利用につながった。墓じまいを機に所有者から譲り受けた墓石の土台を生かした。犬や猫の像を設けた合同墓には数十匹の遺骨を保管できる。骨つぼに入れるか、布に包んで納骨する。花立てや線香皿が設けられており、いつでも自由に墓参りできる。
光明寺では年に数基のペースで墓じまいしているという。地元の石材店によると、撤去するには数十万円~数百万円かかり、ほとんどの場合は産業廃棄物として処理される。
斎藤住職は「ペットは家族と同じで、常にそばにいてご飯を食べたり、散歩したり、時に勇気づけてくれたりしてくれる。合同墓を通して、生きとし生けるものの安寧を願いたい」と話している。
納骨希望者は護持会費として5千円を納める。問い合わせは光明寺へ。(会津版)