熊被害を受け緊急会議 福島県南会津でセンサーや電気柵で警戒強化 侵入再発防止へ

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熊被害を受け緊急会議 福島県南会津でセンサーや電気柵で警戒強化 侵入再発防止へ

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福島県南会津地方で熊による高齢者介護施設への侵入被害や人的被害があったのを受け、県は30日、南会津町で関係機関を集めて緊急連絡会議を開いた。熊に侵入された施設を視察し、専門家が行政や周辺住民との連絡を密にして対応手順を確認しておくよう助言した。
県野生動物調査専門官の獣医師溝口俊夫さんが9月13日早朝に熊が窓ガラスを割って侵入した経緯の説明を受け、ガラスに人の目の模様などを描いたシールを張るなどの対策を示した。施設を運営する会社の担当者は音が出るセンサーや新たに電気柵を設置したと説明した。
視察に先立ち、田部生活改善センターで溝口さんが講話した。人的被害を防ぐための具体的な対策を【表】の通り示した。日の出前、日没後の徒歩の外出を控えたり、通学路の安全を確認したりするよう呼びかけた。
今年は熊の餌となるブナの実などが凶作で、10月以降も熊の出没が予想されるとした。「多くの目撃情報で熊が人に慣れ、人も熊に慣れている。情報が何より重要。目撃情報を集めて分析し、地図を作るなどして住民に注意を呼びかけてほしい」と述べた。
県は町村や南会津署、学校の担当者に対し、山間部の集落を中心に熊が入りそうな空き家の確認などのパトロールの実施、防災無線や看板を活用した注意喚起などに力を入れるよう示した。【溝口さんが示した対策】・日の出前、日没後の徒歩の外出を控える。日中も鈴などを携行する・通学路やお年寄りの散歩コースの安全を確認する・河川敷が熊の移動ルート。やぶなどに潜んでいる可能性がある。見通しが悪い場所には近づかない・犬の散歩時に林などで見通しが悪い場所は避ける・住宅や敷地内で物音がしても不用意に外に出たり、窓を開けたりしない・人けのない畑や果樹園の見回りには車を使い、周辺の気配に注意する・今秋の熊は腹をすかせている。穀類などの保管は厳重にする・キノコ採りはリスクが大きい。十分に注意する・山での作業時、花火による追い払いを行い、熊スプレーを携行する・登山やキャンプなどの際、役場や警察署で出没状況を確認する(会津版)