岩瀬農高(福島県鏡石町) 「乳牛飼育高校」日本一へ 全日本共進会出場

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岩瀬農高(福島県鏡石町) 「乳牛飼育高校」日本一へ 全日本共進会出場

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岩瀬農高(福島県鏡石町)の生物生産科酪農専攻班の3年生4人は、同校で育てている乳牛と全日本ホルスタイン共進会(25、26日、北海道安平町)に出場する。飼育担当として、休日返上で早朝から訓練や体調管理に奮闘してきた。4人とも県内出身で、酪農関連の道を目指している。愛情を注いできた相棒と挑む「乳牛飼育の高校日本一」を懸けた晴れ舞台で、3年間の学びの成果を示し、将来につなげようと意気込んでいる。
岩瀬農高(福島県鏡石町)の生物生産科酪農専攻班の3年生4人は、同校で育てている乳牛と全日本ホルスタイン共進会(25、26日、北海道安平町)に出場する。飼育担当として、休日返上で早朝から訓練や体調管理に奮闘してきた。4人とも県内出身で、酪農関連の道を目指している。愛情を注いできた相棒と挑む「乳牛飼育の高校日本一」を懸けた晴れ舞台で、3年間の学びの成果を示し、将来につなげようと意気込んでいる。■愛情注いだ「この娘」と
共進会に出るのは、いずれも寮生活を送る福島市出身の小川愛莉さん、郡山市出身の川崎知歩さんと遠藤善朗さん、中島村出身の蛭田優香さん。出産経験のない未経産牛「イワノー・アミュレット・リリバリ号(アミュレット号、月齢17カ月)」の大会までの飼育・訓練担当に手を挙げた。「家族同然にお世話してきた。『この娘』と全国で勝負したい」と声をそろえる。■休日返上で奮闘
先月からは連日午前5時には牛舎に入り、餌やりやブラッシングを済ませる。「背線」(背中の延び)の美しさを強調する歩き方を習得するため、特訓中だ。「人牛一体」の動きを目指し、放課後や休日も含め、できる限り多くの時間を共に過ごしている。県家畜市場(本宮市)で9月17日に開かれた県出品牛最終選考会では、アミュレット号の腹部の張り具合や均整の取れた体つきが評価され、高校特別枠で全日本共進会への出場権を得た。
初めのころは機嫌が悪いと牛舎を出たがらない「気分屋」なアミュレット号に手を焼いた。歩く方向も制御できない状態から辛抱強く向き合い、意思疎通を深めて信頼関係を築いた。■体調管理、飼料研究
牧草や配合飼料の高騰を受け、校内栽培の牧草を与える一方、県酪農業協同組合に飼料の成分分析を依頼して質・量とも十分な餌を確保した。酷暑の影響で食欲が落ちると、食べるペースや食べ残しをチェック。好みの飼料を増やすなど体調維持にも注意を払った。
全日本共進会の高校出品牛はホルスタイン種、ジャージー種で計20部門(未経産牛8部、経産牛12部)に区分けされ、全国の農業高で飼育されている約30頭が集結する。岩瀬農高は月齢16カ月~18カ月未満のホルスタイン種・未経産牛による第4部に出品する。
各部で1等賞か優等賞に選ばれれば、若年層の酪農への関心醸成や後継者育成に向けて新設された「ハイスクール・デイリー・グランプリ」の「最高位牛」の選考対象となる。
小川さんは卒業後は大学に進み、酪農に関する学びを深めるつもりだ。「学習と練習の成果を発揮し、スキルアップにつながる場にしたい」と共進会での収穫を見据えている。※全日本ホルスタイン共進会
一般社団法人日本ホルスタイン登録協会が主催し、5年に1度、酪農の盛んな県で開催している。乳牛の健康状態や体形の改良具合を比較、展示する。第15回はコロナ禍の影響で中止したため、今回は10年ぶりの開催。