「偕楽亭」の「柱」半世紀ぶりに帰還 福島市の板倉神社に奉納 例大祭に合わせお披露目

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「偕楽亭」の「柱」半世紀ぶりに帰還 福島市の板倉神社に奉納 例大祭に合わせお披露目

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福島県庁に近い紅葉山公園にあった料亭「偕楽亭」の建築材の一部が半世紀ぶりに公園内に帰還した。料亭にちなんで福島市内にあった同じ名称の茶室解体に伴い、市民団体が市から譲り受け、公園内の板倉神社に奉納された。9月28日、例大祭に合わせ、関係者にお披露目された。
帰還したのは1908(明治41)年から紅葉山公園内にあった料亭「偕楽亭」の角柱(長さ170センチ、重さ9・5キロ)と丸柱(長さ180センチ、重さ11・7キロ)。1973年に解体されて以降、料亭にちなんで市市民会館敷地内に建てられた茶室「偕楽亭」などに保管されていた。
市民会館や茶室は老朽化に伴い、解体工事が進んでいる。市は市内での有効活用を条件に、2本の柱などを民間に無償譲渡すると決定。偕楽亭を広く知ってもらう活動に取り組んできた「WABUNKAふくしま」を譲渡先に選んだ。
2本の柱と合わせて市から譲渡された茶室の板額を含む計3点が神社の福嶋城板倉会館に納められた。板額は1973年当時の佐藤達也市長(故人)の手彫り。料亭や茶室の歴史、料亭のおかみ・志賀マサさん(故人)の功績などを伝えるパネルも展示した。
28日は街歩きガイドなどに携わる特定NPO法人ヒューマン・ネットワークふくしまの菅野淳一理事長が関係者に解説した。WABUNKAふくしまの照井寿美子代表は「料亭があった場所は近年、見逃されてきた。福島市が県都になった歴史を含め次代につなぎたい」と話した。
柱や板額は今後、一般公開を検討している。(県北版)