福島のニュース
観光の国際認証団体「グリーン・デスティネーションズ」(本部・オランダ)による「世界の持続可能な観光地トップ100選」の2025年版に、福島県の会津若松が初めて選ばれた。漆文化を巡る森林保全と伝統工芸の継承、観光を結び付ける取り組みが評価された。世界の優良事例を表彰する制度で、国内からはニセコ(北海道)など10地域が入った。
同団体が世界中から取り組みを募り、2014年から毎年100地域を選出している。同団体が定める「地域産品の促進」「自然保護」などの15指標への適合、事例の具体的な内容を審査する。会津若松市を中心とした地域では漆の産業・文化としての継承が課題となっている。今回、漆を巡る体験活動や植栽、漆製品の利活用と観光を組み合わせた循環型モデルが、審査の対象テーマの一つ「文化と伝統」分野で高い評価を受けた。
同市でスマートシティを推進する一般社団法人AiCT(アイクト)コンソーシアムが申請した。同法人はサステナブルツーリズム研修を開催し、市や会津若松観光ビューロー、民間事業者などとともに活動内容を磨き上げた。
今回の選出で、認定ロゴマークを活用したPRが可能になる。国際的な認知度の向上、インバウンド(訪日客)誘致、地域内における協働体制の強化などが期待される。
海外では米国パークシティ(ユタ州)、豪州タウンズビルなどが選ばれた。国内の会津若松以外の選定地は次の通り。
ニセコ(北海道)永平寺(福井)南信州、千曲市(長野)井川(静岡)丸亀市、三豊市(香川)黒潮町(高知)関門(山口・福岡)

