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福島県白河市は市内新蔵町にある「特定空き家」について、行政代執行による解体作業を進め、9月末までにほぼ終えた。工期は今月27日までで、市は検査などで状態を確認した上で近く終了宣言するとみられる。
この建物は木造2階建ての店舗兼住宅で延べ床面積122平方メートル。人や車の往来が多い谷津田川せせらぎ通り沿いにあった。築約100年で、老朽化が進み屋根の一部が崩れるなど倒壊の危険があったため、市は2022(令和4)年11月に特定空き家に認定した。郡山市に住む所有者の80代女性に再三、助言や勧告、命令を行ったが、「経済的な理由」で改善されなかったため8月20日、行政代執行に踏み切った。
8日現在、基礎の一部を残し建物は取り壊され危険性は除去された状態となっている。解体し更地にした費用は約420万円。所有者に請求し、支払わなければ預貯金や土地を差し押さえる方針。
市によると特定空き家に対する行政代執行は市内で初めてで、県内では昨年の只見町に続き2例目。市内には他に9戸の特定空き家があるが、差し迫った状況にはないという。
同市の担当者は「空き家になる前の対応が求められる。何かの形で利活用したり、利用しないのならば早めに処分するなど家族で話し合うことが大事だ」と話している。(県南版)

