福島のニュース
今年こそ福島県民と共に「頂(てっぺん)」を―。バレーボールの大同生命SVリーグ女子の福島デンソーエアリービーズは11、12の両日、福島県郡山市の宝来屋ボンズアリーナ(郡山総合体育館)で開幕節に臨む。リーグ初年度で4位だった昨季の悔しさを知る選手が成長し、経験豊富な戦力の加入で層が厚くなった。リベロの川畑遥奈主将(24)は「優勝の目標をぶらさず戦い抜く」と表情を引き締める。
昨季はレギュラーシーズン4位でチャンピオンシップ(CS)進出。しかし準決勝で大阪マーヴェラスに1勝2敗で苦杯をなめた。辻健志監督は「個人スキルや細かいプレーの精度に差が出た」と振り返る。頂点までの距離を縮めるため、今夏は個人の能力向上に重点を置いた。筋力強化に加えて敏しょう系のメニューを増やし、強さ、速さ、高さを追求した。基礎練習から制球を意識するなどプレーの細部にこだわった。
頼もしい戦力が加わった。大阪Mの優勝に貢献した193センチのミドルブロッカー箕輪幸(29)は同ポジションの若手にスパイク前の助走などを助言している。「ベテランとして経験をチームに還元したい」と役割を語る。2季ぶりに現役復帰した元主将のアウトサイドヒッター(OH)中元南(28)はリーダーシップが持ち味。苦しい展開で崩れないよう「声かけで引っ張りたい」と意気込む。
川畑主将とミドルブロッカー麻野七奈未(22)は6月以降、日本代表として国際大会で経験を積んだ。昨季ベスト6でブラジル代表のOHモンチベレル・ロザマリア(31)も健在。川畑主将は「総力戦で頂上にたどり着く」と覚悟を示す。
コート以外でも、県民に身近な存在になろうと工夫を凝らす。8月に郡山市で実施した夏合宿中、ファンとの交流イベントを初めて催した。SNS(交流サイト)の活用にも力を入れている。

