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芸術家が福島県南相馬市小高区に滞在し、住民と交流しながら創作に役立てるアーティストインレジデンス(AIR)みなみそうま「群青小高2025」の成果発表会は13日まで、小高区各地で催されている。
2021(令和3)年度から毎年実施している取り組みで今回は塚原るなさん(美術作家)、船山哲郎さん(美術家・研究者)、桑田早綺さん(美術作家)、竹丸沙織さん(書道家・モデル)が参加した。4人は8月から10月にかけて小高区に滞在して自然や歴史、生活などに触れ、創作に励んできた。
佐賀県出身で神奈川県在住の塚原さんは、散策で見つけたお気に入りの風景を写真カードにして、地図と合わせて封筒に入れた手紙を制作。JR小高駅に置いたほか、駅前の佐藤松寿堂表具店にスケッチなどと一緒に展示している。「外から来たからこそ気付いた地域の魅力を知ってもらいたい。来場者との対話も楽しみたい」と話している。
竹丸さんは鹿児島県出身、在住。小高で出会った史跡や住民との交流で着想した言葉を木の根、幹、枝葉に見立てて、書で表現した。日本国憲法の間接的起草者とされる故鈴木安蔵氏の生家に展示した。鈴木家住宅は国登録有形文化財になっている。「『言葉』のつながりで、憲法にゆかりのある場所を地元の人に紹介してもらった。小高で生まれた『言葉』を還元したい」との思いを込めている。
船山さんはアーティストインレジデンス施設「KONNO」、桑田さんは旧小高教会幼稚園で作品を展示している。(相双版)

