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地域連携と被災地復興応援を目的に47都道府県のコメを使って造る日本酒「絆舞」の仕込み作業が11日、福島県会津坂下町の曙酒造で行われ、全国の信用金庫関係者らが臨んだ。11月26日に都内の東京ビッグサイトで開幕する「2025〝よい仕事おこし〟フェア」の開会式で完成披露される。
プロジェクトは城南信金(本店・東京都品川区)が事務局を務め、全国の信金などでつくる同フェア実行委員会の主催。福島民報社が特別協力している。各信金のネットワークを活用してコメを集め、今年は全国179地域のコメ約6トンを原料に日本酒を醸す。
大吟醸「芳酔」、純米大吟醸の火入れ酒「佳酔」、生酒「爽酔」、水の代わりに酒で仕込む貴醸酒「極酔」の4種類を造る。曙酒造の鈴木孝市社長は「より良い酒を造るために大吟醸の製造時期を本格的な酒造りシーズンの来年1月にずらし、全国新酒鑑評会で金賞を取る」と宣言した。
製造本数は500ミリリットル入り計約8千本を見込む。販売価格は税込み3080円で、売り上げ1本当たり100円を福島、石川、富山3県の災害復興支援のために寄付する。
11日は19信金などから約30人が臨み、ふかしたコメをタンクに運び入れてかき混ぜる作業に取り組んだ。今後、絞り作業などを経て約1カ月で完成する予定。
仕込み作業に先立ち、セレモニーが行われ、実行委員会を代表し、城南信金の林稔理事長が「感謝の気持ちを込め、全国の絆を感じながら仕込み作業に臨む」とあいさつした。内堀雅雄知事が「世界で分断と対立が激化する時代だからこそ絆という言葉には大きな価値がある。絆舞を多くの方に飲んで笑顔になってほしい」、古川庄平会津坂下町長が「絆舞は被災された方と支援する方の復興への思いをつなぐ」と述べた。林理事長が鈴木社長と共に絆舞4種類の名前を記したボードを掲げた。
福島県関係の信金からは会津信金の添田英幸理事長、ひまわり信金の上條博英理事長、あぶくま信金の太田福裕理事長、福島信金の樋口郁雄理事長らが参加。福島民報社の古川雄二地域づくり局長が出席した。

