日露戦争をリアルタイムで分析した朝河博士の論評、翻訳し出版 安積国造神社(福島県郡山市)宮司の安藤智重さん

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日露戦争をリアルタイムで分析した朝河博士の論評、翻訳し出版 安積国造神社(福島県郡山市)宮司の安藤智重さん

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福島県郡山市の安積国造神社宮司の安藤智重さん(58)は、二本松市出身の世界的歴史学者・朝河貫一博士が日露開戦中に記した英文の論評を翻訳し、「露日衝突1904
その原因と問題」(イカロス出版)として出版した。朝河博士がリアルタイムで分析した極東情勢の詳細が分かる。
原著は「The
Russo―Japanese
Conflict:Its
Causes
and
Issues」。米ダートマス大講師だった朝河博士が著し、米国などで出版した。米国でキリスト教国のロシアを支持する世論が優勢の中、この著作と講演を通して米国世論を日本支持へと転換させた。米大統領の調停によるポーツマス講和条約の基礎となった。
「露日衝突―」は日露の交渉や満州をめぐる日露の駆け引き、朝鮮半島をめぐる外交闘争など20章にわたる。中国研究家で、朝河博士の研究にも取り組む矢吹晋さん(郡山市出身)が解説を寄せた。
ロシアが領土拡大を試みる構図は現代の国際情勢に重なる。安藤さんは「朝河博士は常に平和を考えた学者だった。平和を守るためのメッセージとして多くの人に知ってもらいたい」と話した。
本書は軍事史研究家で翻訳家の辻元よしふみさんが初訳した。
A5判、264ページ。インターネット通販のアマゾンなどで、2200円(税込み)で購入できる。