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水素の利活用を進める福島県浪江町は14日、水素燃料電池を搭載した電動アシスト自転車を役場職員が業務に使う実証事業を始めた。住友商事(本社・東京都)と連携し、トヨタ紡織(本社・愛知県刈谷市)が開発する自転車3台と水素充填機1台を使う。社会実装に向けた運用方法を試しながら水素を身近に感じられる仕組みづくりへとつなげる。
町内の水素製造実証拠点「福島水素エネルギー研究フィールド(FH2R)」で製造した水素を使う。水素を燃料に発電した電気で運転を支える仕組み。タンク1本分で約100キロの距離を走る。11月23日まで、町職員の移動手段に活用する。同月22、23の両日に開催予定の「なみえ水素まつり」などのイベントで試乗会を開き、水素への理解を町内外に広める。
乗り心地などのデータを開発側に提供する他、役場内でレンタルの仕組みを確立し、将来的なレンタサイクルなどの本格導入につなげる。試乗した町産業振興課の藤坂浩暉副主査は「すいすい前に進んだ。身近に水素を実感し、当たり前に使われる未来を目指して実証に取り組む」と話した。

