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福島県郡山市出身の彫刻家三木宗策(1891~1945年)の墓碑が20日、市内の善導寺で再建され、開眼式が行われた。市民有志が浄財を募り、東日本大震災で倒壊した墓石を修復した。新たに設けた看板を通し、功績を後世に伝えていく。
三木の没後80年に合わせ、郡山市立美術館友の会が結成30周年記念事業として墓碑の修復に取り組んできた。昨年10月から1年間で、市民らから約200万円の善意が寄せられた。
開眼式には関係者約50人が出席した。友の会の大槻努会長と美術館の永山多貴子館長が三木の功績を記した看板を除幕した。善導寺の中村宜孝住職が読経し、出席者が焼香した。寄付者を代表して寿泉堂綜合病院を運営する湯浅報恩会の湯浅大郎理事長が「市民や県民の心の復興につながってほしい」と期待した。友の会の伊藤和事務局長は「感無量だ。古里を代表する彫刻家の功績を広く発信していきたい」と語った。
三木は高村光雲門下の山本瑞雲に師事し木彫を学んだ。官展で作品を発表し審査員も務めた他、多くの仏像制作を手がけた。福島民報で連載中の「ふくしま人」で三木の功績や歩みを紹介している。

