石垣の構造明らかに 「棚倉城跡二ノ丸石垣」初解体 25日に福島県棚倉町の現地で説明会

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石垣の構造明らかに 「棚倉城跡二ノ丸石垣」初解体 25日に福島県棚倉町の現地で説明会

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福島県棚倉町の国指定史跡「棚倉城跡」の中で唯一、石垣が残る「棚倉城跡二ノ丸石垣」が築城以来初めて解体され、石垣の構造が明らかになった。表面の石の背面には無数の石が約1・5メートルの厚みで敷き詰められていた。
町教委によると、解体した区間には石垣の表面に見える築石が578個、築石の背面には少しこぶりな「栗石」が築石の3~4倍程度詰められていた。石は久慈川で採ったとみられるという。
石垣は外堀跡で、棚倉中のグラウンド東側にある。高さが約3メートルで全長が約160メートルある。2011(平成23)年の東日本大震災や2021(令和3)年と翌年の福島県沖地震の影響で一部が崩落した。2023年に石垣の被災状況を記録し、翌年に崩落石材の撤去作業を始めた。今年度は崩落の恐れのある約70メートルの区間の石垣解体工事を行った。
今後は発掘調査を行った後、2027年度までに再度積み上げて修復する。その後は安全対策の一環で定期的に調査し、ゆがみやずれがないか確認する。
町教委は25日午後1時30分から、現地説明会を開く。参加無料。町教委の担当者が調査の現状について説明する。町教委生涯学習課の塚野聡史学芸員は「今年は築城400年の節目。初めて石垣の裏側を見ることができるので多くの人に見てほしい」と話している。問い合わせは町教委生涯学習課へ。