福島のニュース
福島市立図書館は、資源リサイクルに回していた除籍本を販売し、益金を使って新刊を用意する取り組みを始める。状態のいい本を2000冊厳選し、市民が本に出合う機会を設けるとともに、限られた財源の中で蔵書を更新できるようにする。初の頒布会を27日、開館40周年記念事業として市内のアオウゼで実施する。次年度以降の継続を検討しており、資料の有効活用と財源確保の〝一挙両得〟を目指す。
「もったいない…」。担当職員の素朴な思いがきっかけになった。市立図書館は破損したり古くなって資料価値がなくなったりした本を年2万冊除籍している。中には状態が良く読める本もあり、他の図書館が実施している有償頒布会を参考に企画した。頒布会は27日午前10時から午後4時に実施する。小説や実用書など雑誌以外の多彩な本が並ぶ。1度の入場で1人10冊まで購入できる。
代金は全て1冊100円。全て売り切れれば20万円の益金が生まれる。共催する図書ボランティアの会に本を無償譲渡した形で実施し、益金を元に図書館と同会が相談して新刊を用意する。市の図書購入費は電子書籍を配備する兼ね合いもあり年々微減しており、今年度は約670万円減の約1633万円となった。今回の取り組みを継続的に新刊を用意する一助とする。
館長補佐兼管理係長の佐藤充さん(56)は「知らない作家と出合い、新たなジャンルに挑戦するきっかけになればいい。新しい本を増やすためにも協力いただきたい」と話している。■須賀川市は年2回実施
須賀川市中央図書館も先行して同種の取り組みを展開している。図書館が入るtette(テッテ)の市民組織と共同実施する形で年2回、除籍本などを1冊10円で販売し、3万円程度の益金で市民組織関係者が選ぶ本を用意している。読書推進が主な狙い。

