大野病院後継 患者の移動軽減 1階に外来や検査集約 福島県

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福島県は、東京電力福島第1原発事故の影響で休止している県立大野病院(大熊町)の後継病院の整備に向け、都内の事業所と設計業務の委託契約を結んだ。患者の移動負担を減らす設計案が高い評価を受けた。県は設計案を基に検討し、2027(令和9)年11月までに最終設計を決定する。
審査員会が公募した設計提案7件を、構造の工夫や車でのアクセスを考慮した敷地利用、早期開院に向けた工期短縮の工夫、などの観点から審査した。最優秀となった都内の石本建築事務所東京オフィスと4億150万円で契約した。
同社が提案した設計案では建物は6階建てで、1階に外来や検査機能、救急部門、放射線部門などを集約。患者の移動の負担を最小限にした。院内感染対策として外来患者と救急患者、病院職員の入り口や動線を分けた。
周辺にある産業交流施設「CREVAおおくま」や商業施設「クマSUNテラス」との周遊性を良くする位置に出入り口を設ける設計も評価された。県の計画では、大野病院を解体した跡地に新病院を整備し、2029年度以降の開院を目指している。