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福島県白河市を中心とした県南地方でトマトの葉が黄色くなるウイルス性伝染病「トマト黄化葉巻病」が拡大している。鈴木和夫白河市長は28日、表郷地区を現地視察の上、生産者と意見交換し、対策を講じる方針を示した。
市によると、トマト黄化葉巻病は体長0・8ミリほどの昆虫「タバココナジラミ」がウイルスを媒介して発生する。栽培初期に感染すると生育が止まり収穫が皆無となる恐れがある。経営に大きな影響を与えるとされる。県南地区では白河市、矢吹町、中島村、泉崎村などで発生し、郡山市でも確認されている。
28日時点で、白河市内のトマト農家49戸615アールが被害を受けており、推計被害額は7988万円だという。特に表郷地区では生産農家17戸全てで感染し被害は深刻だ。
表郷河東田地区のトマトハウスを視察した鈴木市長に対し、生産者の近藤芳邦さん(47)は今年の収量が3~4割減ったことや、数年前から発症していたが被害は今年が最もひどかったと実情を説明した。JA東西しらかわの後藤正一郎専務らが立ち会った。
河東田公民館で行われた意見交換で鈴木市長は「JA、県とも連携して当面の対策を考えねばならない」と述べた。生産者からは「高温対策を同時にやらないと効果が出ない」「品種改良も必要だ」などの声が出た。
市は防虫ネットや土壌消毒剤、耐病性品種などの購入経費を支援する補正予算案を12月定例議会に提出する方向で検討している。(県南版)

