福島のニュース
東京電力福島第1原発事故に伴う特定帰還居住区域のうち、3行政区の一部で11月4日の立ち入り規制緩和を調整していた福島県双葉町は同日午前9時に規制を緩和する。町が30日発表した。避難指示解除に向けた手続きで、6市町村に設定された特定帰還居住区域のうち住宅を対象とする規制緩和は初めて。住民が許可証なしで出入り可能とし、帰還の準備を整えてもらう。
緩和対象は帰還困難区域のうち、特定帰還居住区域として2026(令和8)年度の避難解除を目指す下長塚、三字、羽鳥3行政区の一部で、面積は約110ヘクタール。許可証の申請・所持を必要としていたが、緩和後は手続き不要で自由に立ち入りできる。自宅への宿泊は認めず、町は帰還準備のために町内の宿泊施設に泊まる費用を一部補助する。
対象区域では除染が進んでおり、規制緩和を行う際の進捗率は約50%となる見込み。平均放射線量は国が避難指示解除基準の一つとしている年間積算線量20ミリシーベルト(毎時3・8マイクロシーベルト)を既に下回っている。
緩和に伴いバリケードが開放され、誰でも出入りができるため、町は警察や防犯団体と連携して区域内のパトロールを強化する。戸別巡回も実施し、地域の安全と安心につなげる。

