ジビエ加工施設完成 福島県郡山市の「四季彩 平山」 地域資源の循環目指す

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ジビエ加工施設完成 福島県郡山市の「四季彩 平山」 地域資源の循環目指す

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野生鳥獣肉(ジビエ)の加工施設「ふくしまジビエファクトリー」が福島県郡山市に完成した。ジビエ料理を提供する「四季彩
平山」を営む平山真吾さん(40)が店舗隣に整備した。農作物被害が深刻なシカなどを自ら捕らえ、加工したジビエを店舗や周辺の飲食店などに供給し、地域資源の循環を目指す。
30日、内覧会が開かれた。施設では市内で捕れたシカやカモを中心に取り扱う。狩猟免許を持つ平山さんが自ら捕獲する他、地元の猟友会員の協力を得て、年間シカ20頭程度の加工を想定している。
解体した食肉は県の出荷・検査方針に基づき、外部機関で放射性物質の全頭検査を行う。温度や湿度が一定の冷蔵庫で10日間程度、熟成させてから提供する。
店では火鉢で炭火焼きにし、ジビエ本来のおいしさを届ける。加工した肉を真空パックで包装し、市内の飲食店や旅館・ホテル、直売所にも供給していく。11月15日に解禁される猟期までは他県の加工施設で処理されたジビエを仕入れ、新設した施設で熟成させる。
県内では東京電力福島第1原発事故による放射性物質の影響を受け、人里での被害が顕著なツキノワグマなどの出荷制限が今なお続く。平山さんは「ジビエを安全においしく届けられる仕組みを整え、原発事故前にあった地域の資源や命が循環する一歩につなげたい」と語った。