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福島県いわき市の鮮魚店おのざきは、県産酒の酒かすに東北地方の太平洋側で水揚げされた魚介類「三陸・常磐もの」などを漬け込んだ商品「蔵粕海(くらかすみ)」を31日から販売する。県内各地の酒蔵の酒かすと多様な魚種を組み合わせ、相乗効果を味わうシリーズとして展開する。社長の小野崎雄一さん(29)は「福島の誇りである日本酒と相性がバッチリの〝アテ〟ができた」と自信を見せる。■相乗効果、うまみ◎
第1弾はカキと磐城寿(鈴木酒造店、浪江)、ギンダラと陣屋(有賀醸造、白河)、サワラとロ万(花泉酒造、南会津)の3種類を販売する。カキとサワラは宮城県産を使用。来年1月から売り出す第2弾では県産のメヒカリとメカジキを扱う予定だ。冷凍で販売し、フライパンやグリルで焼いて味わってもらう。
桐箱入りの6個1セットで、贈答向けに販売する予定。来春展開される大型観光企画「ふくしまデスティネーションキャンペーン(DC)」に向け、県産酒と常磐ものを一緒に楽しめる土産品として売り出す。都内の高島屋や大阪市の阪急百貨店といったデパートでも取り扱われる。
商品開発を担った営業部の秋元隆太郎さん(24)は各地の酒蔵を訪ね、酒かすの提供を受ける協力を取りつけた。試食会を開き、日本酒の特性と魚の食味がマッチする組み合わせを試行錯誤したという。「魚種をさらに開拓し、個性ある蔵元の酒かすとの最適解を見つけていきたい」と意気込む。今後は需要が少なく市場に出回らない未利用魚も活用し、常磐ものの消費を後押しする構想も描く。
販売価格は6個入りセットが6480円、ばら売りはカキとサワラが842円、ギンダラが1296円(いずれも税込み)。いわき市内にあるおのざきの4店舗とオンラインショップで取り扱う。

