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福島県只見町と新潟県三条市を結ぶ国道289号八十里越区間(延長20・8キロ)の峠道が赤く色付いている。現在は通行不能だが、来年秋から2027(令和9)年夏までに暫定開通させる予定で、着々と工事が進む。県境の山々は鮮やかな紅葉に包まれ、早ければ1年後の開通を待っている。
福島県が施工する只見町の入叶津道路(7・8キロ)ではスノーシェッドなどを建設中だ。周囲はブナなどが生い茂り、赤や黄色に染まる。木々が色付いた雄大な風景は県境を越え、新潟側まで広がっている。
豪雪地帯の只見町でも特に雪が多く、多い時期の積雪は4メートルを超える。工事可能な期間は1年のうち、約半年間のみ。八十里越区間は国土交通省と福島、新潟両県が1986(昭和61)年度に事業化し、1989(平成元)年度から整備を進める。
八十里越は南会津地方から林産物、新潟側から塩などを運ぶ交易の道だった。幕末の長岡藩家老で、只見町で没した河井継之助が通り、司馬遼太郎の小説「峠」の舞台となった。明治末期まで旧道が使われたが鉄道の全通で往来が徐々に途絶えた。険しい山道で1里(約4キロ)が10里に感じられたのが名称の由来とされる。開通すれば救急搬送時間の短縮、交流や観光の促進などが期待される。
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福島民報社は新潟日報社と連携し、八十里越に関する話題を「つながる八十里越」として随時掲載する。
動画のURLはこちら
https://www.youtube.com/watch?v=wGJusbvl5ww

