福島のニュース
国際宇宙ステーション(ISS)に食料や実験機器などを運ぶ日本の新しい無人補給機「HTV―X」1号機に、福島県いわき市四倉町のJRとまとランドいわきファームで生産されたトマトが搭載された。国内で栽培された生食用トマトが宇宙に運ばれるのは初めて。トマトは宇宙飛行士の食事として提供される。
とまとランドのグループ企業ワンダーファームが31日、発表した。宇宙航空研究開発機構(JAXA)と契約した流通経済研究所から発注を受けた。収穫はヤンマーホールディングス(本社・大阪市)が開発している大玉トマト収穫ロボットを用いて実施した。実を画像認識し、傷つけないように自動で収穫できる国内初の機器。形崩れがしにくく日持ちする品種「ドキア」を72個出荷した。
いわき市は長い日照時間と冬でも温暖な気候を生かし、大規模なトマトのハウス栽培が盛ん。楢葉町とともに国から冬春トマトの野菜指定産地に選ばれている。JRとまとランドいわきファームの元木寛社長は「東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からまもなく15年となる。福島の農業復興をアピールできる出来事だ」と喜んだ。

