特撮の神様、米殿堂入り 故円谷英二(福島県須賀川出身) ウルトラマンやゴジラ製作

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メディアの視覚効果分野で世界的権威の米視覚効果協会(VES)は「特撮の神様」と称される映画監督の円谷英二(福島県須賀川市出身)を日本人で初めて殿堂入りに選んだ。7日(日本時間8日)、米ロサンゼルスで表彰式を開く。31日、円谷プロダクションが発表した。
VESは円谷を「視覚効果分野の礎を築いたパイオニア」として優れた特殊撮影技術と映像業界への影響力を高く評価した。殿堂入りには過去にアニメーション作家のウォルト・ディズニーや映画監督のスタンリー・キューブリックらが選ばれている。
円谷は1901(明治34)年に須賀川市で生まれ、1919(大正8)年から撮影技師として映画製作を始めた。緻密に作られたミニチュアワークや光学合成など数々の撮影技術で「ウルトラマンシリーズ」や「ゴジラ」などのヒット作品を生み出した。
須賀川市の須賀川特撮アーカイブセンターでは子どもたちが主体となって特撮作品を手がける「すかがわ特撮塾」が開かれ、円谷が伝えてきた「空想」の魅力が引き継がれている。須賀川市の大寺正晃市長は「円谷監督が築いた特撮文化をさらに発展させ、世界に誇る文化として愛され続けるよう取り組む」と決意を述べ、円谷のいとこの子に当たる円谷誠さん(65)は「英二さんの偉業が認められてうれしい。受賞が糧になってみんなの活力につながってほしい」と喜んだ。
表彰式は日本時間で8日午前11時30分から。円谷プロダクションの永竹正幸社長が登壇する。■「世界中に夢と感動」
知事
円谷の殿堂入りを受け、県人の偉業に内堀雅雄知事は「数々の名作を通じて、日本のみならず世界中の人々に夢と感動を届けてくれた。功績が国際的に高く評価されたことは、福島が生んだ『空想の力』が、世界中のクリエイターに影響を与え続けている証しであり、県民の誇り」とたたえるコメントを発表した。