箏の音色で聴衆魅了 福島市出身の遠藤千晶さん 東京でリサイタル

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福島市出身の箏曲演奏家遠藤千晶さんのリサイタル「solo(ソロ)」は1日、東京・銀座の王子ホールで開かれた。遠藤さんが主宰する妙祐会の主催で、全曲独奏。江戸期の「秋風の曲」(光崎検校[みつざきけんぎょう]作曲)で開幕し、卓越した技術で一気に聴衆を引き込んだ。
近代邦楽の草分けとなった宮城道雄の「ロンドンの夜の雨」「手事」では、名曲の持つ趣を響かせた。「遠藤千晶のテーマ曲」として、新作歌舞伎「刀剣乱舞」の楽曲で知られる作曲家中井智弥さんに委嘱した新作「糸のまにまに」を初めて披露。箏の伝統的な奏法と現代曲のテクニックを組み合わせた楽曲を流麗な調べで表現した。
アンコールに応え、尺八奏者藤原道山さんを迎えて「春の海」(宮城道雄作曲)を演奏した。箏と尺八が奏でる情緒漂う音色で結びを飾った。
遠藤さんは「恩師たちへの恩返しとして企画した。今後も曲や旋律に合わせた音色を吟味し、彩り豊かに音の風景を描いていきたい」と語った。