【震災・原発事故14年】福島県双葉町・特定帰還居住区域の一部 初の住宅立ち入り緩和 避難解除へ大きな前進

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【震災・原発事故14年】福島県双葉町・特定帰還居住区域の一部 初の住宅立ち入り緩和 避難解除へ大きな前進

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政府と福島県双葉町は4日、東京電力福島第1原発事故に伴う帰還困難区域のうち、特定帰還居住区域の3行政区の一部で、住宅への立ち入り規制を緩和した。南相馬、富岡、大熊、双葉、浪江、葛尾の6市町村に設定された特定帰還居住区域のうち、通行証なしで自由に立ち入り可能になったのは初めて。2026(令和8)年度の避難指示解除に向け、帰還準備を整える。
規制が緩和されたのは双葉町の特定帰還居住区域(9行政区、計約530ヘクタール)のうち下長塚、三字[さんあざ]、羽鳥3行政区の計約110ヘクタールで、2011(平成23)年3月11日時点で約60世帯が住んでいた。除染が進み、10月末時点で47%が完了した。平均放射線量は国が避難指示解除基準の一つとしている年間積算線量20ミリシーベルト(毎時3・8マイクロシーベルト)を既に下回った。これまで立ち入りの際に求められていた通行証の申請と携帯が不要になる。区域内の家屋に宿泊できないが、帰還準備目的の宿泊費は町が補助する。
4日午前9時、道路などに設けられていたバリケード9カ所が一斉に開放され、県警パトカーなどが警戒巡視に向かった。伊沢史朗町長は「避難指示解除に向けた大きな前進。一刻も早く古里に帰還したいという町民の思いに応えていく」とコメントした。
特定帰還居住区域は、特定復興再生拠点区域(復興拠点)から外れた地域の避難指示を解除するために設けられた。2020年代に希望者が帰還できるよう住宅周辺や生活圏などで除染が進められている。双葉町の復興拠点内の居住人口は1日現在、144世帯197人。