福島のニュース
「最高の田舎暮らしを届けたい―」。16年前に福島県伊達市霊山町小国に移住した、樋口高志さん(53)は2023(令和5)年に民宿「古民家宿風[ふう]知[ち]草[そう]」を始めた。首都圏の観光客や外国人に、実家に来たような田舎暮らしを提供している。「伊達の魅力や、環境に優しい生活を発信し、移住者を増やしたい」と意気込んでいる。■2023年にオープン「古民家宿風知草」
外国人からも人気
会津若松市出身、千葉市育ち、大阪府で家具を販売する営業をしていたが「自然豊かな場所で自給自足の暮らしがしてみたい」と思い退職した。その後、1年間参加した川俣町での農業研修が転機となり移住を決めた。
2014(平成26)年、築250年の古民家を約5年かけ改修し、自宅兼飲食店「暮らし茶屋風知草」を始めた。新型コロナウイルス禍の影響で理想とする営業ができず、1組2人限定の民宿に路線変更した。貸別荘と異なり、実際に樋口さん夫婦が日常生活を送っている住宅を貸し出している。自慢の料理は樋口さんの母が田島町(現南会津町)出身のため南会津郡の名物しんごろう餅や、下郷町から仕入れた十割そば、樋口さんが育てた野菜、伊達鶏など地元の食材が中心だ。宿泊者が居るとき、樋口さん夫婦は民宿の離れで生活する。宿泊者から希望があれば一緒に食事や日本酒を味わい日常生活を紹介するなど交流を深めている。
民宿はシンガポール、オランダ、台湾などの外国人の利用も多い。田舎の風景を求める首都圏の人や懐かしい暮らしをしてもらおうと両親に宿泊をプレゼントする人も目立つという。
樋口さんは「親戚の家に来たような安心感のある接客を目指したい」と話している。予約は旅行サイトAirbnbのサイトで受け付けている。

