福島のニュース
福島県伊達市月舘町に新たな名物を―。2024(令和6)年4月にオープンした月舘オートキャンプ場「SAKURA」を経営する布施裕之さん(48)は年明けにも、敷地内で豚肉料理専門店「月舘肉食堂ぶたの休日」を開く。長年培った料理の腕と知識を生かし、新たなにぎわい拠点をつくろうと奮闘している。
埼玉県の出身で、東京で20年以上、料理人として腕を磨いてきた。36歳で独立し、鮮魚酒場など3店舗を経営していたが、コロナ禍を経て「飼い犬とキャンプ場を開きたい」という夢を叶えようと福島に拠点をつくった。「縁もゆかりもない土地で、よそ者扱いされないか」。そんな心配をしていたが、すぐに地域の人々と打ち解け、町を盛り上げるおじさん集団「ツキラボ」に加入。メンバーらと一緒にイベントに出店し、料理を提供してきた。特に豚肉料理は大好評で、即完売になることも。毎日でも食べたい、との声をもらい、新たな名物で地域の元気を育てる拠点をつくろうと決意した。
豚バラカルビとモツ煮を二枚看板に、多彩な豚肉料理を4、5品提供する予定だ。オープンに向けて内装や厨房設備に活用するための費用をクラウドファンディング(CF)で募っている。
店のオープンは自分を温かく受け入れ、手を差し伸べてくれた町民への恩返しの意味もある。「食を通じて交流し、楽しめる場になってほしい。一緒に地域を盛り上げていきたい」と笑顔を見せた。

