福島のニュース
国内最高水準の技術を持つものづくりの「匠」をたたえる「現代の名工」に、2025(令和7)年度は福島県内から和生菓子製造工の神山典之さん(50)=郡山市、お菓子処
かど屋=と、看板制作工の古川求さん(72)=郡山市、クリエイティブダイワ=の2人が選ばれた。
厚生労働省が7日、発表した。表彰式は10日午後2時から、東京都新宿区のリーガロイヤルホテル東京で行われる。■感性磨き商品づくり
和生菓子製造工
神山典之[かみやま
のりゆき]さん
50
郡山市
1898(明治31)年から郡山の地で営業する「お菓子処
かど屋」の4代目。素材を吟味し、美術鑑賞や茶道などで磨いた感性を商品づくりに生かしている。
郡山市出身。本宮高、日本菓子専門学校卒。国家資格の1級菓子製造技能士を持ち、37歳だった2012(平成24)年に県内で初めて全国和菓子協会の「優秀和菓子職」に認定された。
県内の小中学校を訪れる「ものづくりマイスター」の活動に加え、米国や台湾でも実演や体験を通して和菓子文化を紹介してきた。市内の専門学校では講師として次世代育成に情熱を注ぐ。「季節感があり、食べるとほっこりする和菓子の魅力をより多くの人に伝えたい」と使命感に燃える。■下書きなしで筆運ぶ
看板制作工
古川求[ふるかわ
もとむ]さん
72
郡山市
食堂の壁に並ぶ品書き、消防団詰め所の凹凸のあるシャッター。どんな場所でも下書き無しの一発勝負。迷い無く筆を運び、美しい文字が表れる。「諦めないで続けてきた」。半世紀にわたり、全国各地で看板作りに向き合ってきた。
郡山市出身。御館中卒。市内の看板制作会社で8年間修業を積み、独立。1983(昭和58)年に看板制作を主な業務とするクリエイティブダイワを法人化し、工場長を務めた。
2017年に技能グランプリのペイント仕上げ広告美術部門で日本一となり、厚生労働大臣賞に輝いた。小学校に講師として赴き、手作り看板の魅力を伝える。「ものづくりの楽しさを知ってほしい」と願う。

