「天蚕」の伝統を後世に 小学校での授業や商品製作に注力 福島県伊達市霊山町の天蚕の会

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「天蚕」の伝統を後世に 小学校での授業や商品製作に注力 福島県伊達市霊山町の天蚕の会

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福島県伊達市霊山町の「りょうぜん天蚕の会」は天蚕の伝統を後世に受け継ごうと小学校での授業、商品の製作、体験教室に注力している。菅野秀一会長(75)と八島利幸事務局長(90)は「地域が誇れる文化を会員みんなで守っていきたい」と意気込む。
天蚕はヤママユガの幼虫で日本原産の野生絹糸虫。産卵する数が家蚕と比べ少なく、育てるのが難しいとされ、生産、飼育しているのは全国でも珍しい。鮮やかなもえぎ色の繭を作り、採れる糸は希少。「緑のダイヤモンド」と称される。
同会は結成され、20年が経過した。現在、住民有志約40人が活動し、若者の担い手や高度な技術をどう受け継ぐかが課題だ。
天蚕を身近に感じてもらうため長年、小学校で授業をしている。市内の掛田小、小国小の3、4年生は会員監修により、卵や繭までを飼育し成長の過程を学んでいる。大熊町で天蚕を飼育する大阪大生も作業に参加し、技術を習得している。商品開発にも力を入れ、天蚕のショールや名刺入れなどを、道の駅伊達の郷りょうぜんで販売している。新商品開発も模索している。
体験教室では天蚕紬糸作り、コサージュ作りを指導している。








保原歴史文化資料館は、来年4月6日まで「伊達とお蚕様の本場物語」を開いている。同館が所蔵し、国重要文化財に指定されている蚕種製造用具などを展示している。22日午前10時からは保原総合公園管理事務所多目的ホールで郷土歴史講座を開く。(県北版)