福島交通(福島市)と会津乗合自動車(会津若松市) 来年4月経営統合 バス路線維持へ

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福島交通(福島市)と会津乗合自動車(会津若松市) 来年4月経営統合 バス路線維持へ

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福島交通(福島市)と会津乗合自動車(会津バス、会津若松市)は来年4月1日、経営統合する。対等合併だが福島交通を存続会社とする吸収合併方式で、商号は「福島交通」に統一する。人口減少に伴う運転手不足や利用者減少が課題となる中、中通りと会津地方の公共交通を維持するため営業や管理部門の効率化を図る。合併に伴う人員整理や路線縮小・変更の計画はない。将来的には電気自動車(EV)や自動運転のバス導入といった投資を視野に入れており、合併による経営基盤の強化を目指す。
両社が10日、それぞれの取締役会で決議し、国土交通省福島運輸支局に申請した。認可され次第、遅くとも来年3月に株主総会を開き、株主の承認を得る予定という。
福島交通は2009(平成21)年4月に、会津バスは2013年8月に、みちのりホールディングス(HD、東京都)の100%子会社となった。
経営統合により、福島交通の従業員899人、保有するバス506台、鉄道6編成14台、トラック4台、会津バスの従業員383人、保有するバス216台、タクシー62台は維持される。現在運行するバスの「福島交通」「会津バス」、タクシーの「あいづタクシー」の名称や車体カラーリングは長年親しまれているとして変更しない。両社の交通系ICカードも従来通り共通利用できる。
一方、経営効率化の観点から総務などの事務部門の人員を、運転手に割り振るなど配置換えの可能性はあるという。EVバスなど将来の投資にも備える。
合併後の本店所在地は、福島交通の本店がある福島市東浜町に置き、会津若松市白虎町にある会津バスの本店は「支社」となる見通し。社長に武藤泰典福島交通社長、副社長に佐藤俊[とし]材[き]会津バス社長が就任する予定。資本金は1億円。
合併によって福島交通の子会社・福島交通観光と会津バスの子会社・会津トラベルサービスも合併し、「福島交通観光」となり、旅行業分野でも協働する。