国際貢献の歩み振り返り、一層の発展誓う 都内でJICA海外協力隊発足60周年記念式典 福島県二本松市に訓練所

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国際貢献の歩み振り返り、一層の発展誓う 都内でJICA海外協力隊発足60周年記念式典 福島県二本松市に訓練所

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国際協力機構(JICA)の海外協力隊発足60周年記念式典は13日、東京都千代田区の東京国際フォーラムで行われた。30周年を迎えた福島県二本松市の二本松青年海外協力隊訓練所などから羽ばたいた隊員らの国際貢献の歩みを振り返り、一層の発展を誓った。
天皇皇后両陛下が臨席され、約3千人が出席した。田中明彦JICA理事長が「世界の友好関係の進化に寄与すべく、さらなる発展に取り組む」と式辞を述べた。天皇陛下が「現地での日々の地道な歩みが各国の地域社会の発展に寄与するとともに、隊員を経験して帰国した皆さんがわが国の社会の中でも力を発揮していくことを願う」とお言葉を述べられた。
高市早苗首相の祝辞を英利アルフィヤ外務大臣政務官が代読し、日本の国際協力~特に青年海外協力隊の活動~を支援する国会議員の会(JICA議連)会長の小渕優子衆院議員が祝辞を述べた。帰国隊員のことば、次世代からのメッセージが披露された。
60年の歴史を振り返る動画を上映し、二本松訓練所での訓練やコロナ禍を乗り越えて活動する隊員の様子を紹介。二本松訓練所出身の徳島泰さん、栗野泰成さんら元隊員らが「世界と日本を変える力」をテーマにトークセッションを繰り広げた。小惑星「Jicakyoryokutai」の命名が披露され、元隊員らによるファッションショーも繰り広げた。最後に福島市出身の作曲家古関裕而さんが作曲した隊歌「若い力の歌」を会場全員で合唱した。二本松市から三保恵一市長らが出席した。
JICAの海外協力隊は1965(昭和40)年に派遣が始まり、開発途上国の農林水産、保健・医療、社会福祉、商業・観光など9分野、約190職種で活動。派遣隊員は累計約5万8千人。二本松訓練所は1995(平成7)年1月から訓練生の受け入れを開始し、これまでに約1万5千人の隊員を送り出した。岳温泉観光協会は開所30周年を祝って今年度、元協力隊員やJICA関係者らを対象に「おもてなし特典」として、さまざまな優遇サービスを展開している。