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福島市長選を巡り連合福島は、立憲民主党県連などと共につくる5者協議会で支援する現職候補とは別の新人候補を立民所属の一部議員が推しているのは遺憾だとして、立民県連との関係を当面、凍結する。14日に市内で開いた連合福島執行委員会で、沢田精一会長が方針を示した。
9日の市長選告示の前後に立民所属の国会議員が現職とは別の新人候補の会合や第一声に駆けつけたことを連合福島は問題視。立民県連の一部県議らも新人候補の応援に回っている実態をつかんでいるという。
連合福島は現職以外の候補を直接支援した立民所属地方議員に対し、今後の選挙で推薦や支持を見送る考え。会議や集会への立民県連関係者の参加要請も一時的に取りやめる方針。
5者協議会は連合福島と立民、国民民主、社民の各党県連、県議会会派「県民連合」で構成し、告示前の会合で現職支援を確認していた。沢田会長は「党内のガバナンスが欠如し、組合員の信頼を大きく損ねたと言わざるを得ない」と立民を批判した。
立民県連の宮下雅志幹事長によると、13日に連合福島の塩沢基事務局長から「関係を凍結する」と伝えられたという。宮下幹事長は、新人候補を応援する党所属国会議員の動きを抑えるよう県連として文書で党本部に申し入れるなど「できる限りの対応はしてきた」と主張。一部県議の造反については「事実関係を確認する」とした。■連合福島、立民との関係凍結
しこり不安視する声
福島市長選を巡って連合福島が立憲民主党県連との関係を当面凍結したことに対し、5者協議会の関係者からは市長選後のしこりや今後の各種選挙への影響を不安視する声が上がった。
5者協議会構成団体の一つ、国民民主党県連の渡部優生代表代行は「5者協で一枚岩になれなかったのは残念」とした上で、「連合福島の決断は重い。立民は信頼回復に向けて努力してほしい」と求めた。社民党県連の狩野光昭代表は、関係凍結が続けば今後の選挙対応に大きな影響を与えると懸念し、「信義則は守らないといけないが、5者協としての枠組みは維持すべきだ」と訴えた。
立民県連の宮下雅志幹事長は「連合との関係は重要」と強調。今後、沢田精一会長との丁寧に話し合っていく考えを示した。
5者協議会は国政選挙や首長選で強固な組織戦を展開してきた。その枠組みが今後も維持されるのか、関係者は注目している。

