福島のニュース
16日に繰り広げられる第37回市町村対抗福島県縦断駅伝競走大会(ふくしま駅伝)では、新戦力や久しぶりに復帰する選手がチームに活力を与える。多くの市町村が少子化の影響で走者の確保に苦慮している。選ばれたランナーは古里のために奮起し、地元の誇りを託したタスキをつなぐ。■玉川
魅力を次世代に
25年連続出場関根さん設立
クラブから中学生4人
大会直前の12日夜。玉川村の村民グラウンドでライトの下、若者が汗を流す。人口約6千人の玉川村チームには中学生6人が加入した。うち4人は「ふくしま駅伝」に強い思いを持つ監督兼選手の関根聡さん(38)が昨年設立したクラブチームのメンバーだ。
関根さんはふくしま駅伝に中学3年で初出場し25年間、村代表として出場を続ける。その間、村では少子化が進んだ。学校の統廃合が進み、常設陸上部はない。少年少女が長距離の魅力に触れる機会が減り、駅伝チームの編成は年々、難しくなっている。
背中を押したのは長距離走に興味を持ち始めた玉川中1年の長男歩さん(13)の存在だ。父の影響で、陸上に親しんできた。「次世代に陸上、駅伝の魅力を伝えたい」と願っていた関根さんは発奮し、JAAF(日本陸連)公認のジュニアコーチの資格を取得。昨年3月に「SRC(関根ランニングサークル)」を立ち上げた。現在は小学生から社会人まで約20人が所属している。
メンバーの歩さんは初めての晴れ舞台で8区を担う予定だ。念願だった「親子参加」が近づいている。「父や先輩がふくしま駅伝を走っていた。出場は小学生の頃からの夢だった」と本番を待ちわびる。
関根さんは「年齢を問わず、本格的に長距離走に打ち込む環境を守り、ふくしま駅伝への出場を重ねていきたい」と意気込んでいる。■北塩原
棄権回避へ復帰
宮城在住佐藤さん
中高生のために一役
北塩原村は人数がそろわず単独出場が危ぶまれたが、宮城県柴田町在住の保育士佐藤有姫[ゆき]さん(22)が棄権を回避するのに一役買った。チームの一員になるのは6年ぶり。「練習してきた中高生に悲しい思いをさせたくない」と、ふるさと選手として11区を走る決断をした。
ふくしま駅伝は学生時代の心の支えだった。北塩原一中1年の第27回大会から5年間チームに所属し、中学3年の第29回大会で主将を務めた。9月上旬に監督の高橋宏典さん(52)から出場を打診された。週2回程度、勾配を意識した練習を重ね走力を磨いた。
一部区間を条件外選手が走るため、特例出場となる。全体成績は残らないが、故郷の少年少女に走る機会を与えることが重要だと考える。「また出場できる縁を大切に、皆が満足できるレースにしたい」と笑顔を見せた。■相馬
看護師、ランナー両立
持立さん8年ぶり出場
相馬市は大学生や社会人の人選に苦心した。頼ったのは福島医大付属病院の看護師として働きながら、各マラソン大会に出場して好調を維持する持立雨音[あまね]さん(25)。相馬東高3年以来、8年ぶりとなるふくしま駅伝に挑む。レース全体の流れをつくる1区を任された。
夜勤、日勤前後に週5~6回の頻度で5~20キロを走る。2月以降、フルマラソンなど9大会に出場し、実績は十分。多忙の中でも相馬市での全体練習に足しげく通い、仲間と切磋琢磨[せっさたくま]してきた。地元から寄せられる激励の声が、何よりの励みという。「持てる力を出し、結果で貢献したい」と故郷のために全力を尽くすと誓う。

