福島市長に馬場氏 現職ら破り初当選 都道府県庁所在地現職首長で最年少

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福島市長に馬場氏 現職ら破り初当選 都道府県庁所在地現職首長で最年少

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任期満了に伴う福島市長選は16日投開票され、無所属で元衆院議員の新人馬場雄基氏(33)が5万8453票を獲得し、初当選を果たした。与野党相乗りの組織戦で3選を目指した現職木幡浩氏(65)=無所属=、会社経営の新人高橋翔氏(37)=無所属=を退けた。馬場氏は市民目線での改革を唱え、交流サイト(SNS)を駆使した草の根的な運動で支持を広げた。都道府県庁所在地の現職首長、県内市町村長で最年少。投票率は47・34%だった。任期は12月8日から4年。■戦いの跡
市政の継続か刷新かが最大の争点となった福島市長選で、有権者は平成生まれの若きリーダーに県都の未来を託した。
馬場雄基氏は告示2カ月前の9月上旬、2期4年務めた衆院議員を辞し、名乗りを上げた。現職と重なり合う支持層は一気に流動化。所属していた立憲民主党を離れ、無所属を前面に打ち出した。特定の政党や団体からの推薦を積極的に求めない戦略が奏功し、幅広い支援を呼び込んだ。
現職を推薦した自民や立民などの地方議員の一部が援軍に付いた。JR福島駅東口再開発事業や大型公共施設整備などに不満を持つ経済界の一部も味方となり、現職批判票の受け皿となった。これまでは郡山市が主戦場で、福島市での選挙戦は初めて。幼稚園から高校時代までを過ごした市内の同級生や縁故を頼りに、草の根的な運動とSNSを駆使した情報発信で徐々に支持を広げた。
選挙戦では「市民が『声を上げれば社会は変えられる』と感じられる環境をつくる」として、地域の閉[へい]塞[そく]感の打破を訴えた。刷新ムードが日ごとに広がり、若者や女性ら無党派層の共感も集めた。
現職木幡浩氏は3期目を「まちづくりの集大成」と位置づけ、前回に続いて自民、立憲民主、国民民主、公明、社民の各政党をはじめ、連合福島や市職労から推薦を取りつけた。市内に張り巡らせた32の地区後援会を母体に、市議34人のうち超党派の31人で構成する「市議の会」が組織戦を支えた。ただ、各党、各団体が相乗りした陣営は一枚岩になりきれず、勢いづく新顔に票が流れた。
舌戦で木幡氏は、道筋を付けた駅前再開発を「夜明け前の状態。これから希望の持てる姿が出てくる」として市政継続を訴えた。だが、建設資材高騰に伴い相次いだ事業計画の縮小や遅れなどが逆風となり、支持離れにつながった。
投票率は過去最低だった前回よりも回復し、市政への関心の高まりをうかがわせる。ただ、刷新への期待は不満と表裏一体。市議の大半が現職を推した市議会とどう向き合うのか。山積する課題への対応も容易ではない。(本社報道部・堀田一真)■数字に基づく政策を
馬場雄基氏の話
裸一貫から始まった挑戦が一つの時代をつくり得るほどのうねりになった。市の課題は山積しており、まちづくりの土台を考え直す。感覚や慣例ではない政策づくりを進め、取り組むべき理由を数字で語ることができる仕組みをつくっていく。■投票率47・34%
前回比12・55ポイント増
投票率47・34%(男性46・54%、女性48・08%)は、過去最低だった前回2021(令和3)年の34・79%を12・55ポイント上回った。
当日有権者数は22万3913人(男性10万7753人、女性11万6160人)。【開票結果】選管最終、敬称略当58,453馬場雄基33無新◎43,818木幡
浩65無現

2,745高橋
翔37無新無効987(◎は当選者以外の法定得票数獲得者)