日本男子「銅」 東京デフリンピック柔道団体 蒲生(福島県郡山市出身)2個目メダル

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聴覚に障害のあるアスリートの国際スポーツ大会「東京デフリンピック」の柔道競技団体戦は18日、東京都の東京武道館で行われ、郡山市出身の男子73キロ級蒲生和麻(JR東日本、東京都)らが出場した日本男子は銅メダルを獲得した。蒲生は個人戦の銅メダルに続いて大会2個目のメダル。
蒲生は準々決勝でカザフスタンの選手に合わせ技一本を取られた。敗者復活戦は韓国の選手と対戦し、一本負けを喫した。1―1で迎えた三位決定戦では延長戦の末に投げ技で技ありを奪い、銅メダルをつかんだ。
男子の金メダルはカザフスタン、銀メダルはフランスがそれぞれ獲得した。■蒲生、銅メダル決め大粒の涙
東京武道館で18日に行われた東京デフリンピック柔道男子団体では、郡山市出身の73キロ級蒲生和麻(31)=JR東日本、東京都=が全4試合のうち3試合に出場。ウクライナとの3位決定戦で勝利を決める白星を挙げるなど、日本の銅メダル獲得に貢献した。
団体は先に2勝したチームが勝利する。3位決定戦では1勝1敗から蒲生に出番が回った。ゴールデンスコア方式の延長戦の末、浮き落としによる技ありで制すと、目から大粒の涙がこぼれ落ちた。「勝つ時もあれば負ける時もある。最後まで諦めなかった結果。本当に幸せ者だと思う」と喜びをかみしめた。
悲願の金メダルを逃した自責の念を抱えて畳に上がった。0勝1敗から登場した準々決勝のカザフスタン戦で、相手選手に投げ技で合わせ技一本を献上。決勝への道が絶たれ、悔やし涙を抑えられなかった。韓国との敗者復活戦は指導を2度受けて追い込まれ、延長13秒で一本負けを喫した。
もう一度、気持ちを奮い立たせてくれたのは自分を信頼してくれる仲間の存在だった。「つないでくれた一勝を守り、絶対にメダルを持ち帰る」。強い決意で臨んだ決定戦は辛抱強くウクライナ選手と戦い抜いてメダルをつかみとった。
デフ柔道は畳に上がると何も聞こえない静寂の中で戦う。無音の世界ならではの緊張感もあるが、サインエールなどを使った観客の応援が力をくれた。「見に来てくれた方々に日本のデフ柔道の強さをアピールできたのならうれしい」と笑顔を見せた。